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鹿児島随一の観光地「桜島」の魅力
絶えず噴煙を上げる桜島の正体とは
「桜島」は鹿児島県の鹿児島湾にある火山で、かつてはその名の通り独立した島でしかなかったものの、1914年の大噴火により面積を拡大し、大隅半島と陸続きとなってしまったという凄まじい歴史をたどっています。そのことからもわかるように活発な火山で、今もなお活動を続けている桜島の噴煙は、地元民にとっては日常の景色でしかありません。他県から訪れる人にとっては火山の噴火など非日常の最たるものであり、大災害のイメージしかありません。実際に桜島の噴火によって地元民がこうむる火山灰の被害は軽視できるようなものではないはずなのですが、彼らは慣れたものです。それほどに地元に根付いた桜島の噴火ですが、それもそのはずで、桜島の活動は2万年も前、有史以前より煙を上げ続けているのです。2007年には日本の地質百選にも選ばれるほど学者たちにも注目され続けている火山で、地球内部化学協会によって指定16火山にも選ばれています。
桜島、という名前はよく聞きます。正確には「御岳(おんたけ)」という火山によって形成された島のことを桜島と呼ぶ、という見方もあるようですが、そもそも島全域が山裾となっているため両者の区別は必要になりませんイコール桜島という認識で間違いでないようです。しかしこの桜島、どうして桜島と呼ばれるようになったのでしょうか。有史以来噴火を繰り返してきた桜島の植生は特殊で、長年学者の研究対象ともなっていますが、桜の名所というわけではありません。「桜島」という名称が記録に現れてくるのは1476年頃からで、その名の由来には諸説ありますが、いずれも確証はありません。そのうちいくらか有力な説として、木花咲耶姫命(コノハナサクヤヒメノミコト)を祀る神社があったことで、かつてその島が「サクヤジマ」と呼ばれていたというものがあります。それがしだいに訛って「桜島」になっていったというのです。また、今現在鹿児島のシンボルともなっている桜島ですが、古くはその島こそが「鹿児島」という名前で、それが地名になっていったという説もあります。だとすれば、たしかに桜島こそ鹿児島のルーツでありシンボルに相応しい存在と言えます。
桜島の特殊な環境が生んだ名産品
活火山の桜島にも住民が生活しており、農作物を育てている人々がいます。しかしながら全域が火山の噴出物でできた土壌では作られる作物は限られていて、住民の知恵が試される過酷な環境と言えます。そんな中、観光地として国内外の観光客を集める桜島の特産品は一風変わったものばかりとなっていきました。代表的なものが、世界一大きい大根「桜島大根」と、また世界一小さいみかん「桜島みかん」です。
「桜島大根」はギネスブックにも認定された世界一大きい大根です。重さは平均して6キロにもなり、大きなものとなると30キロにも達するといいます。地元では「しまでこん」という名で親しまれています。大きな大根にするには火山灰の土壌で手間暇をかけて栽培する必要があり、毎年農家の人々はより大きな大根を作ろうと競い合っています。この大根は見た目のインパクトだけで、味には見るべき点がないのではと思われがちなところがあります。観光客からすれば色物の特産品に映るのでしょうか。しかしその実、見た目に反して一般的な大根よりもきめが細かく甘みが強いとされており、大根おろしなどの生食に非常に向いています。直径の大きな他では見られない「千枚漬け」も桜島の特産品として有名で、多くの土産物店で購入することができます。
「桜島みかん」もまたギネスブック認定の世界一小さなみかんです。やはり火山灰の土壌という貴重な環境が生み出すもので、こちらは大根とは真逆を行き、どういうわけかとても小さなみかんが出来上がります。決して生育不十分な失敗作というのではなく、手間をかけて作られる貴重な特産品です。歴史も長く、樹齢200年にもなる木も残っています。大根と同じで強い甘みが特徴で、果実は20~50グラムほどの大きさにとどまります。
桜島で味わえる貴重な観光体験
桜島の有り余る火山灰や溶岩を利用した生活の知恵は、特産品として形を変えて、かねてより観光客を喜ばせてきました。桜島大根や桜島みかんも火山灰を利用して作られる貴重な作物です。桜島ではそのほかに「溶岩プレート」と呼ばれる調理用の鉄板に代わる調理器具が有名で、これは全国の高級料亭などでも使用され、一流の料理人からも絶大な支持を受けるものです。溶岩プレートで焼いた肉などの食材はふっくらと柔らかく仕上がり、また全体にまんべんなく火を通すことができます。遠赤外線効果によって火を強くすることなく食材を熱することができるため焦げ付きにくいとも言われています。そんな溶岩プレートを用いたピザづくりが、このところ桜島の観光に大きなブームを呼んでいます。プロの手ほどきを受けながら自分たちの手で作ったピザを味わう「ピザづくり体験」。溶岩プレートで作られた世にも珍しい極上のピザ窯で焼いたピザは格別の味が保障されています。14,000円で五名まで同時に参加できるこのイベントは、大勢での旅行にうってつけです。楽しみながらおなかも満たすことのできる「桜島ピザづくり体験」は、桜島溶岩加工センターで行われています。
桜島を中心とする火山帯は温泉地としても名を馳せています。桜島にも日頃の疲れを癒せる名湯がありますが、そんな温泉地を入浴とはまた違った形でも体験して巡ろうというイベントがあります。「桜島GEOツアー」というこの企画は、カヌーで桜島周辺を回遊するという内容で、ところどころに湧く海底温泉に近づき、実際に手で触ってその暖かさを確かめることができます。海の底のマグマによって温められる海水は、ほかの場所は冷たいのに、ほんの一部だけ暖かい。普段味わうことのできない体験とともに、桜島を優雅に周回することで、何よりその桜島の絶景をひとり占めできるのが大好評となっています。鹿児島に出稼ぎに行くからには桜島を思う存分堪能しなければ損。そう思われる方は、是非「桜島GEOツアー」、体験してみてください。
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