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神戸「ポートアイランド」だけで一日を使い切る
都市機能のすべてが凝縮された近未来の人工島
「ポートアイランド」は神戸港の沖合にある人工島であり、2005年に現在の姿の大部分が完成したばかりの新しい街です。全世界から美しい街と称賛を浴びる神戸ですが、新しいことほど美しいものはないとも言います。ことに近代のアーチスティックな建築美を堪能したいのであれば、道にタバコの吸い殻やガムの跡が残っているような、壁や電柱の至る所に古いチラシへばりついたような街では興ざめしてしまうでしょう。国外から賞賛を受ける際にはその遠景――大きな建物のデザインが優れていることが重視されます。しかし実際に歩いて楽しみたい観光客にとっては、実体の伴わない「綺麗な街」という前評判だけでは不十分かもしれません。ポートアイランドが実際に足を運んでみても決して期待を裏切らない「綺麗な街」であると保証できる理由は明白です。それは新しいからです。近年の都市開発は前提段階から美観を重視する傾向が顕著です。緑豊かな都市公園も備え、娯楽施設も上品さを損なわないよう多数取り揃え、交通の利便性も島内を貫く「ポートライナー」その他の補助的機関によって徹底的にサポートされています。
ポートアイランドのめくるめく観光体験の幕開けは、朱色一色に染め上がった、どこか神社の鳥居のようなシンプルな雄姿を備える「神戸大橋」と「ポートピア大橋」が華々しく飾ってくれます。「ポートピア大橋」はポートライナー専用の鉄道橋であり、「神戸大橋」は毎日夜間はライトアップされ、神戸の街のランドマーク的な存在として、その街の夜景をさらに際立ったものへと昇華させるべく輝いています。
神戸花鳥園が都市にもたらしてくれる動植物との触れ合い
「神戸花鳥園(こうべかちょうえん)」はポートアイランドの癒しのテーマパークです。近代的な都市に求められるものは利便性と洗練されたデザイン、そして清潔感です。計画的な都市開発においてこれらの条件は企業を誘致する上でも必要不可欠であり、企業にとって魅力的でないとみなされれば借金の返済はままならず、都市開発自体が頓挫しかねない大問題へとつながります。しかし企業で働くビジネスマンには普段需要がなくとも、都市にはやはり植物の景観、ときには動物とのふれあいに類する有機的な環境もまた、なくてはならないのです。ポートアイランドはその点をしっかりと押さえているということがわかる施設が「神戸花鳥園」です。
神戸花鳥園はポートライナーの京コンピュータ前駅を降りてすぐの場所にあり、園内には植物や水鳥の住まう池があり、園内随所で販売されている餌を購入することで、園内で見られるすべての鳥たちに自由に餌づけをすることができます。園内には水鳥のほかにも多数の美しい鳥たちが生息しており、また、カピバラやアルパカ、オットセイといった子供たちに人気の動物もいます。そんな動物たちを交えたイベントが頻繁に開催されているため、いつ訪れても子供たちの賑やかな歓声を耳にすることができるでしょう。動物もそうですが、植物園としての側面では、植えられている草花は様々な気候帯に属す珍しいものを揃えてあり、賑わいから離れて散策したい大人向けのエリアも用意されています。
バンドー神戸青少年科学館で触れる、宇宙と科学の神秘
「バンドー神戸青少年科学館」の名で親しまれるこの施設はプラネタリウムで有名な科学館です。ポートライナーの南公園駅を降りてまもなくの場所にあります。――ポートアイランドの特筆すべき美点として、主要な観光施設がいずれも駅から徒歩で訪れることのできる場所にあるということが挙げられます。これは日程の限られている観光客にとって非常にうれしいポイントですね。プラネタリウムのほかにも宇宙と科学にまつわる様々な展示物が閲覧でき、土産物店やカフェなども併設されている遊び甲斐のある「バンドー神戸青少年科学館」ですが、その充実した内容を思えば入場料は大人600円とリーズナブルです。
バンドー神戸青少年科学館は特に子供が喜ぶようにと考えられた展示物が多く見受けられます。しかしそれらの多くは大人にとっても胸躍る内容となっています。体験型の展示物が極めて多く、バンドー神戸青少年科学館は、科学という言葉の堅苦しい響きから私たちを解き放ってくれることでしょう。たとえばハングライダー体験では、天井から吊るされた実物大のハングライダーに実際に搭乗し、眼前の大スクリーンに映し出される景色の中の世界を自由に飛び回ることができます。プラネタリウムに感化されて宇宙の神秘により近づきたいと思ったならば、天体観測室が本館の5階にあります。25口径の本格天体望遠鏡で、実際に太陽の黒点や吹きあがるマグマの姿を間近に観察することができます。バンドー神戸青少年科学館は本館と新館に分かれており、地下のプラネタリウムと最上階の天体観測室を含めると全6フロアで構成される大規模な施設です。ほかにも目を引く展示物が多数あり、その中にはきっと、私たちの科学的好奇心に火をつけてくれるものがあるはずです。
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