うどん県香川の呼称に代表される、特徴的な食文化

うどん県香川の呼称に代表される、特徴的な食文化

香川県の人は本当にうどんばかり食べているの?

香川県は全国で最も敷地面積の狭い県です。四国にあって、本州との連絡路である瀬戸大橋を有する県ですが、しかしその認知度は長らく全国平均を下回る位置づけにありました。四国以外の島に住む人々にとっては、香川県と聞いてもその名こそ知れ、どこにあるかがぱっと思い浮かぶ人は少なかったに違いありません。本州から瀬戸大橋を渡って四国に入れば最初に踏み入る土地であり、うどんで有名らしい、という程度だったのです。それが近年の「うどん県香川」というフレーズによる全国的なアピールによって、一躍香川の「讃岐(さぬき)うどん」は全国へと羽ばたきました。今ではたいていのスーパーマーケットで「讃岐うどん」の名を冠した冷凍うどんが見られます。冷凍でも讃岐うどんはコシがあり、美味しいですね。そんな讃岐うどんの発祥の地では、人々にとってうどんとはどういった存在なのでしょうか。

香川県は「うどん県」という冠詞を連呼してブランドアピールに努めていますが、香川の讃岐うどんが美味しいという点と、そして全国で最もうどんを生産し、そして消費している県であるという統計的な揺るがぬ結果は事実です。――ある県で特定の特産品、名産物と呼ばれる、抜きん出て生産量の多い食品が生まれる場合、そこには必ず、さかのぼってたどり着くその地域の気候条件が絡んでいます。うどんは小麦から作られます。そして讃岐うどん職人の声によれば、原料の小麦はもちろんのこと、うどんのコシ――弾力に富んだ歯ごたえには『塩』が重要だといいます。そしてまた、ダシに用いられる醤油、いりこも極めて重要です。そしてこれらすべての生産に適した気候条件が、香川県の瀬戸内海洋性気候には備わっていたということです。

うどんづくりに適した環境とは?

香川県は日照時間が多く、全国的に見ても非常に雨の少ない気候を有しています。加えてその県域の大部分が平野であり、河川に期待できる水源は乏しいと言わざるを得ません。そのため古くから水不足に悩まされており、他県高知県の早明浦(さめうら)ダムの貯水に依存している状況ですが、そのダムも頻繁に渇水し、ニュースで報道されています。――しかし一見マイナス面しか感じられないこの特徴的環境が、うどんの原料となる小麦づくりには非常に適したものでした。

小麦は降水量の少ない地域で栽培される代表的な作物です。小麦に適した降水量は年間600mmほどであり、そもそも全国平均1700mm前後という世界全体から見れば多雨に属す日本ではあまり栽培に適した作物とは言えません。その条件を反映するように、日本では小麦よりも米の栽培が顕著に伸び、今こうして、私たちの食文化の主食となっています。しかし香川県の少雨で温暖な気候が、日本では珍しいほど良質な小麦の栽培を可能にしました。

香川県の西部には伊吹島(いぶきじま)という小さな有人島があります。ここは「いりこ」、すなわち煮干しの生産地として有名な島で、周辺地域一帯を漁場とする漁業従事者の拠点となっています。この伊吹島で獲れたイワシを乾燥して作られるいりこは「伊吹いりこ」として全国的なブランドであり、讃岐うどんのおいしさの秘訣にもなっている重要な食材です。伊吹島の周辺に広がるイワシの漁場は流れが緩やかであるためイワシの身が柔らかく、いりこにしたときに出汁が出やすいとされています。また、伊吹島では水揚げしたイワシをいりこに加工するまで一貫して行っており、水揚げされたイワシは30分以内で乾燥機に入るといいます。鮮度を瞬時に閉じ込めるこの技術の確立により、「伊吹いりこ」の味わいは格別なものとして知られるようになったのです。

香川県でうどんを味わうなら知っておきたいいくつかのこと

香川を訪れるなら一度は食したい讃岐うどん。全国に出店している讃岐うどんチェーン店もあり、スーパーマーケットでも手に入らないわけで張りませんが、讃岐うどんのご当地の味を目当てに香川県を訪れる人も少なくないでしょう。しかしうどん県と呼ばれるだけあって香川のうどんのメニューは豊富であり、またその呼称などにも、もしかしたら聞きなれない単語が現れるかもしれません。香川県のうどん店における基本的な様式、そのメニューの選び方についてご紹介します。

香川県には「うどんの日」があります。最近ブームに便乗して作られたものではなく、古くから香川県のうどん小麦農家でうどんを食べる日として親しまれてきた風習であり、毎年7月初旬の「うどんの日」には、「さぬきうどんまつり」として無料でうどんがふるまわれています。――「うどんの日」があるように、香川県には「うどんタクシー」や「うどんバス」があります。これは香川のうどんを目当てとする観光客用に考案されたもので、うどんの知識に秀で、自らもうどんを手打ちする技術を持つ者だけが得ることの許されるライセンスを所持したドライバーが運転しています。彼らにかかれば、すぐに最寄りのおいしいうどん屋につれていってもらえるでしょう。

これらのサービスを利用してうどん屋に入ったら、まずは自分でトレイを取り、列に並びましょう。たいていの場合、香川のうどん屋はセルフサービスです。トレイを持って並びながら、壁にかかっているメニューから食べたいうどんを選んでおきます。順番が来たら、厨房の人に食べたいうどんの名前を伝えます。十秒ほどでそのうどんが入ったうどんばちがトレイに乗せられますので、列を進み、自分でダシを入れましょう。その前にうどんの麺を一度ザルで湯に浸し、自分で温められるところも多いです。最後に好きなトッピングの具材を盛り付けて、レジへと進み、トッピングの料金を含む金額を支払って、店内の空いている好きな席に座る、という流れとなります。

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