栃の木が高く葉を茂らせる栃木県（栃木県） | 風俗のお仕事コラム

観光目的で栃木県を巡るとしたら、その主要な目的地は日光市、あるいは一般的に「那須」と呼ばれる温泉街、または高原地帯になる場合がほとんどではないでしょうか。栃木県はリゾート地としてのイメージが非常に強い県であると言えます。全体を見渡しても自然豊かな土地であり、中でも日光市は世界遺産に登録されるような神社仏閣を擁するばかりでなく、豊富な一級河川や広大な湿原、渓谷を有する地域です。加えて、日光市は栃木県のおよそ20％という広い面積を誇る市であるため、栃木県イコール日光市のイメージもまた、県外の人々にとっては根強いものではないでしょうか。

高級木材であり、非常に背が高く育つことで知られる「栃の木（とちのき）」をシンボルとして県木に据える栃木県は、その名前の由来もまた、一説によれば栃の木から来ているそうです。気候は温暖湿潤で、夏場は雨が多く、植物が育ちやすい環境にあります。雷が多い地方としても有名です。都市機能として見た場合は、県庁所在地の宇都宮（うつのみや）市がもっとも発達しており、北関東でも随一の大都市を形成しています。出稼ぎの際に住む場所としては、宇都宮市周辺が主な候補に挙がってくるでしょう。自然の豊かなイメージが強い栃木県ですが、都市部の経済規模やその利便性は首都にも劣らぬものとなっています。歓楽街の賑わいも夜更けまで絶えず、娯楽施設も必要十分、きっと退屈することのない生活を送ることができるでしょう。ただし雷が苦手な方にだけは、残念ながら栃木県への出稼ぎをおすすめすることはできません。宇都宮市の別名は「雷都」です。それほどに、全国から見ても特別に雷が多い地域とされています。

栃木県にはいくつかの突出した特徴があります。中には日本一、世界一を誇るものもありますが、国内で知名度の高いものとしてはイチゴが有名です。「とちおとめ」という秀逸なネーミングによって、その名前を聞いただけで栃木を連想できる点が一躍イチゴの栃木を世に知らしめることとなりました。「とちおとめ」はしかし、今では栃木県で最も生産されるメジャーブランドとなりましたが、その実、比較的新しい品種です。「とちおとめ」が開発されるまでも栃木県はもう50年近くイチゴの生産量日本一を誇り、一度も他県にその座を譲ったことはありませんでした。そんな長いイチゴづくりの下積みがあったからこそ、農業技術が発展して可能なことが増えた際、いち早く「とちおとめ」を生み出すことができたのでしょう。今この時も、栃木の地では多くの研究者たちがイチゴの新しい品種開発に努めています。「とちおとめ」ですでに、実は大きく、非常に甘く、形が整っていて見た目も美しいと欠点がないように見えますが、イチゴにかける情熱の火は絶えることがありません。

日本一のみならず、世界一の杉並木を有する土地としても栃木県は有名です。この「有名」は、どちらかといえば国内の人々にとってというよりも、海外から見た場合に当てはめるほうが顕著かもしれません。「日光街道（にっこうかいどう）」に連なるこの杉並木の壮観は見る人の国籍を問わない感動、感嘆、驚愕を誘うものです。しかしながら、その圧倒的な風景を加味しては、国内での認知度はまだまだ低いように思われます。ただし花粉症の方は、時期を見計らわなければ見るどころか、半径百キロ圏内にも近づけないでしょう。

身の回りに栃木県出身の方がいらっしゃる人にとっては少しその土地柄を想像しやすいかもしれません。栃木弁、というのも味わいのある言葉だと思います。そのしゃべり方には基本の部分に独特の平坦さがあり、語尾がくいっと上がることが多いのが特徴です。昨今、全国的な傾向として、若者は地元でもあまり方言を使わなくなりつつあります。しかしそれでも他県からやってきた人にとっては最初のうち、栃木弁を操る人々のニュアンスを理解しがたく感じるかもしれません。言葉に抑揚をつける際のイントネーションが異なる上、
基本的に平坦な調子で話すため、慣れないあいだはどこかぶっきらぼうに聞こえてしまうようです。しかし一度慣れてしまうとその独特な調子は癖になるといいます。出身が栃木県でない人でも、定期的に耳にしないと落ち着かない、久しぶりに聞くとホッとする、というような声が良く聞かれます。その不思議な響きを強みにして一躍有名となった二人組の芸能人を知る人も多いはずです。ぶっきらぼうに聞こえるのですが、一度理解してしまうと本人にそのような意図は全くないとわかる。――そのような経験を経て距離を縮めた相手は、案外長く付き合う友人になるものです。言葉づかいと同じで、その県民性を見てみても、決して気取らないが根は優しい、という気質が割合として多く見られます。クセになる栃木弁の友人が欲しいという方は、是非栃木へ出稼ぎにいらっしゃいませ。