有田焼に見る日本最古の陶芸技術

有田焼に見る日本最古の陶芸技術

日本の磁器製作の先駆けとなった「有田焼」

「有田焼(ありたやき)」といえば佐賀県の佐賀町、有田町を中心地として製作されてきた、この地の代表的伝統工芸品です。有田焼は伊万里港より全国に向けて出荷されてきたため、別名「伊万里焼(いまりやき)」ともいいます。1977年には「経済産業大臣指定伝統工芸品」に指定され、日本が世界に誇る工芸品の大きな一角を担ってきました。

現在も盛んに製造が続けられている有田焼ですが、遥かむかしに生み出されて今に残る作品も数多く、それらは製造時期によって特有の様式を持つため、それぞれが豊かで貴重な表情を有しています。今の佐賀県有田町の地は日本で元も古くから磁器製作に取り組んできたとされており、また今なお変わらず伝統工芸を伝え続ける土地としても他に類を見ません。有田焼はまさに日本の陶磁器製作の先駆けとなった存在なのです。

かつて「肥前国(ひぜんのくに)」と呼ばれたこの地方で磁器の製作が始まったのは17世紀初頭とされています。のちにその「肥前の磁器」は物流の移動が激しくなる江戸時代に、積み出し港の名を取って「伊万里焼」と呼ばれるようになりました。今の「有田焼」という名前で呼ばれるようになるのは、そのさらに少しあと、輸送手段が海上から陸上の鉄道に切り替わってからのことになるようです。有田焼が人々に広く知れ渡るのと時を同じくして、日本全国で陶磁器製作が始まりました。しかしそれでもなお、最高級の磁器として名を馳せ続け、皇室への献上品としても愛用されてきた有田焼の技術は、今なお洗練されながら人々を魅了し続けています。

かつての肥前国、佐賀県の工芸品の特徴とは

ひとえに有田焼といってもその種類、様式はあまりにも豊富で、同じ有田焼と呼ぶには躊躇するほどユニークなものも多数存在します。佐賀の地はとにかく有田焼一本を極め続けた土地です。日本最古級の磁器であると同時に、一度も脇道に逸れず今に受け継がれていることこそ伝統工芸品としての誇りなのです。そしてそのような歴史を可能にした要因こそ、有田焼の奥深さにあるのだと思われます。職人の技術、趣向によっていくらでも表情を変化させる有田焼は、今なお進化を続けているといっても過言ではありません。

有田焼の特徴はその色彩豊かで華やかな姿にあると言えます。それゆえ皇室に献上されてきた過去があり、今でも上品な贈り物として人気を博しています。藍色の下地に複雑な図柄が描かれるのが共通した特徴で、その複雑な図柄は中国風となっています。それというのも、有田焼が作られ始めた初期の頃、その彩色の技術は中国から伝来した「染付磁器(そめつけじき)」に学んだためといいます。「染付」とは中国の青い花を指す言葉で、有田焼が下地に藍色の一色のみを用いることもここからきています。

日本の有田焼は古くから日本国内のみならず海外への輸出も行われており、その人気は高かったといいます。世界的には陶磁器生産の先進国といえば中国ですが、その中国国内の情勢が劇的に移り変わってゆく時期、中国の磁器の輸出は途絶えていました。その需要を埋めるべくして世界へと発信され、急激に知名度を高めていったのが有田焼です。

有田焼から派生した最高級品「鍋島焼」

「鍋島焼(なべしまやき)」はかつての佐賀藩で藩を上げて製作された、当時の最高級時期です。佐賀藩の藩主が鍋島氏であったことから「鍋島焼」と呼ばれるようになったこの磁器は、伊万里焼、つまり有田焼の前身から派生したとされています。有田焼が中国の染付磁器に学んだ中国風の図柄を特徴とするのは今も変わりませんが、鍋島焼は日本風の図柄を持ち味としています。

伊万里焼が流行り始めた当時、佐賀藩では各地の大名や将軍家に献上するための高級磁器製作に取り組んでいました。その性格が時代を経てより尖り、佐賀藩は高級磁器のみを専門に生産する土地として有名になっていきました。別名鍋島藩とも呼ばれた佐賀藩で作られるそれら高級磁器はやがて「鍋島焼」と呼ばれるようになり、皇室などへの献上品としてなくてはならない存在へと変遷しました。

藩が用意した当時もっとも優れた窯、通称「藩窯」で作り出された鍋島焼は、その製法などの情報が他に漏れてはいけないと、職人たちの日常生活なども藩によって厳しく制限されていました。有能な職人は囲い込まれ、さらなる技術の向上を求められ、来る日も来る日も鍋島焼の製造に明け暮れました。藩窯が有田焼の中心地である有田から遠く離れた地に置かれたのも、情報の漏えいを防ぐ目的であったと考えられます。そうして排他的な環境のもと専門性を増していった鍋島焼はますますその価値を高めていきました。鍋島焼はその見事な日本風の絵柄を良く見せるため、広い皿などがほとんどでした。小さな茶碗などはほとんど作られません。鍋島焼は形状として絵画を描くキャンパスのような役割を与えられており、あくまでその精細な絵が主役であったことがうかがえます。

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